[N]ネタフルのコグレさん、[mi]みたいもん!のいしたにさんのゴールデンタッグが、あのクチコミの技術の続編となる本を出されたということで、これは読まずにはいられないとワクワクしながら読みました。といっても、1ヶ月遅れくらいでしょうか・・・。
クチコミの技術では、当時企業での利用が始まっていたブログマーケティング手法などを紹介していて、自分としては特に継続することの重要性を学んだ本です。ちょうどブログを始めて半年くらいの頃だったので、この本に後押しされて「毎日ブログを書く」ことを習慣付けることができましたし、今現在は更新のペースが落ちたとはいえちゃんと存続しそれなりに認知してもらえるブログになったので、本当に感謝しているのです。
時は流れ、ソーシャルメディアの世界はTwitterの登場をきっかけにどんどんスピードアップし、結果としてネットとリアルを近づけました。ネットでつながった人達が気軽にオフ会で顔を合わせるようになり、より近く、より深くつながるようになったのです。そして、それは企業とユーザーの関係でも同じくグッと距離が縮まりました。企業の担当者がTwitterやfacebookを使って直接ユーザーとのコミュニケーションを行い、リアルでの発表会やタッチ&トライイベントなども当たり前になってきていると思います。「クチコミ」が「マキコミ(=巻き込み)」に進化したのですね。
目次
第1章/時代は「クチコミ」から「マキコミ」へ リヤカー書店「ネタフル堂」開店 ツイッターで近づいたリアルとネット ソーシャルメディアの「深い」影響力 影響し合い、ユーザーに巻き込まれる企業 「マーケティング」「ブランディング」の枠を越えて Work 1:自分のリヤカーブックスを開くとしたら? 第2章/コツコツ「継続」がソーシャルメディア上の土台 ネットで存在を認識されるために必要な「継続」 コグレマサトの「継続」の歴史 いしたにまさきの「継続」の歴史 効果的な「継続」のためのノウハウ ブログブーム初期からコツコツと続く日産自動車の取り組み Work 2:「継続」できなかったブログの改善案を考える 第3章/つながりを育てる「ギブ&ギブ」の精神 「つながり」こそがネットの醍醐味 味わったらやめられない! リアルでつながる「オフ会」の楽しさ コラム:転んでもただでは起きなかった「ONEDARI BOYS」 コグレ流、オフ会ができるまで コラム:ユーザー集団は「コミュニティ」から「クラスター」へ ネットでは「ギブ&テイク」よりも「ギブ&ギブ」 ブロガーとのつながりを育ててきたサントリーのソーシャルメディア施策 Work 3:「つながり」を作るオフ会を企画する 第4章/「マキコミ」から生まれる新しい価値 巻き込み、巻き込まれて、従来にない価値が生まれる 時間をかけてユーザーと付き合う「豚組」のスタイル 幅広くパートナーと手を組むエバーノートの人気の仕組み コラム:「クチコミの技術」でのクチコミ施策 仕掛けでユーザーを楽しませるAXEボディソープ「新宿駅前風呂場」 コラム:UCCの失敗と迅速なリカバー コミュニケーション手段の変化と「ポストペット」の進化 企業とユーザーのよりよい「マキコミ」のために Work 4:あなたは誰と「マキコミ」したい? 巻末特別座談会/野村宗弘×コグレマサト×いしたにまさき
「日産自動車」へのインタビューなど中の人の貴重な言葉もありますし、「豚組」「エバーノート」「AXEボディソープ」「UCC」「ポストペット」など最新事例がてんこ盛りです。
“もう”一歩踏み出す勇気
重要なキーワードがたくさんあったのですが、個人的にはこのあたりが刺さりました。
- 「継続」の重要性
- 「ギブ&ギブ」の精神
- 一歩踏み出す勇気
これらは今ソーシャルメディアで活躍している個人・企業に共通して見られる特徴だと納得したのですが、改めて書かれるまでは気付きにくいことでしたし、実は結構大変なことなんではないかと。
このエントリー冒頭にも書きましたが、ボクは「クチコミの技術」で「継続」の重要性を理解しました。ソーシャルメディアの中での自分は、継続によってできたログによって認知されます。ボクがブログを書いていなかったら、ネット上の人達とこれほどつながれなかっただろうし、ましてや他のブロガーから声をかけてもらうなんてこともないだろと。
そして、その継続はアウトプットでなくてはいけません。いくらあなたが熱心に有名ブログを読みあさったり技術に精通していたとしても、どこかで書いたり言ったりしなければ誰もそれには気づかないのです。自分が持っているもの、知っていることを惜しげもなく提供するからこそ、巡り巡って自分にもありがたい情報をもらうことができるのだと思います。これが「ギブ&ギブ」であり「マキコミスパイラル」の出発地点になるのでしょう。
個人的には最後の「一歩踏み出す勇気」が足りないなぁと日々反省していたりします。
もともと、人見知りというか人嫌いというか、他人とコミュニケーションするのが苦手な方ではあるのですが、それを変えようと勉強会やセミナーなどに積極的に参加するようにしていました。ブログデザイン勉強会とか技術系の勉強会とか、あるいはブロガーイベントとかに参加してみて、実際に得るものがたくさんあったし出会いもたくさんありました。そこから声をかけてもらうことが何度もあったんですが、自分がもっと良い反応ができれば、もっと良くなったかもというケースが結構あって・・・。もちろんタイミングの問題なんかもあるんですが、「巻き込まれ力」が足りないなぁと。
ただ、この本を読んでいるともっと頑張らなアカンなと思うわけです。
勇気を出してもう一歩。
まとめ
こういった、ブログ本とかマーケティング本みたいなものを読むとき、どちらかというと個人(ブロガー、エンジニア)目線で読むのですが企業の方にも役に立つことがたくさんつまっている本だと思います。というか、本書にも書いていますが企業がユーザーを巻き込むだけでなく、ユーザーから企業を巻き込むケースもあるのですから、「どっち目線」とかはもう関係ないのかもしれません。発信者と受信者がフラットな関係を保ち、お互いに影響し合いながら新しい価値を生み出しているのが今のソーシャルメディアであり、「マキコミ」ニケーションの実際なのですから。
▼ マキコミの技術
▼ ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である
▼ クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング