無名とはいえブロガーとして情報発信している身として常々考えている事があります。それは、タイトルに書いた通り「一度公開した情報は簡単には削除できない」という事。
自分としては仕事でもネット上の情報流通に関わっているので骨身にしみて感じている事なのだけど、ブロゴスフィアのあちこちで見かける炎上騒ぎを見ているとあまり理解されていないのではないかと思うのです。
Googleが変えた情報伝達スピード
Googleを始めとした検索エンジンの発達により、情報が伝わるスピードが圧倒的にあがってしまった。ブログであっても数時間の内には検索エンジンにインデックスされることがあります。
検索エンジンを情報を得るためのファーストオプションにしている人は多いし、ブログに書かれている情報も新聞などのメディアと同じように信頼されて読まれていると思う(これはちょっと話題がそれるので以下省略)。間違った事を書いてしまったとしてもそれを消す前に大多数の人の目に留まっている可能性が高いでしょう。
ソーシャルメディアと引用
システム(検索エンジン)による情報流通以外にも、最近ではソーシャルメディアが発達しているので人を通してフィルタリング/共有される情報流通もスピードアップしている。
悲しい事に人は他人の不幸(というか失敗)に敏感な事が多い。いわゆる炎上が大好きなんだと思う。
自分の興味のある分野で、あるいはネット上で炎上が起こっていると気付いただけでも飛んでいって野次馬になる(なにしろ、上着を着てサンダルを引っ掛けて飛び出さなくても1クリックで炎上を観察できる…)。
それから、ソーシャルメディアやブログでは引用の文化が根付いている。気になる一部分をそのままコピーして貼付ける。
だから、削除する前に引用されてしまえばそれで証拠隠滅は失敗。晴れて炎上の主人公になれるかも。
文章を保存するアーカイブ/キャッシュシステム
人による引用以外にもシステムとしてWEBページをそのまま保存するサービスもいくつかある。
・Googleのキャッシュ
・ウェブ魚拓
・Internet Archive
もともとは、「消えてしまうかもしれない有用な情報をバックアップしておきましょう」という趣旨のサービスなんだと思うけど、炎上時には裁判で提出される重要物証のような扱われ方が多くなってきたような気がします。
いずれにしても、出した情報を丸ごとコピーされているかもしれず、元の情報を消しただけでは不十分である可能性が高いのです。
それでも、完全削除を目指してみると…
- まずは、自分のブログのエントリーを消す
- 他のページからはっているリンクなんかも消す
- 検索エンジンのインデックス/キャッシュを消す
- Googleではウェブマスター ツールから削除申請が出せる
- Yahoo!ではサイトエクスプローラーから削除申請が出せる
- 当たり前だが、そのサイトのオーナーでないとツールを使う事はできない
- 申請したとしても、削除されるまで数日かかる可能性がある
- ウェブ魚拓を消す
- 削除依頼 – ウェブ魚拓から削除申請する。
- 他のブログに引用されてたら?
- ブログのオーナー、あるいはサービス提供者に連絡する?
- 法人でもないだろうし、連絡がつくだろうか?
- そもそも、こちらの都合で記事削除してもらえるだろうか?
上記の他のサイトにも、情報が広まっている可能性の方が高いと考えてよいと思う。
ネットは広大です。
つまり、自分でも把握ができないのです。お手上げ。
まとめ:削除しない
削除しないっていうか、何度も言うように削除できないですから。
完全削除できない仕組みなのに無理に削除しようとして、取り繕ってる姿を見られて余計評判を落とすのがオチです。
そんな悲惨な状態に陥らないように、
・書く前にちゃんとチェックする。(当たり前)
・削除しないで、訂正文や謝罪文を付ける。
・どうしても削除/変更しないといけない場合は、どこをどういうふうに削除/変更したのかはっきりと書く。
という事を誠意を持ってやらないといけないなぁと思いました。